肺の病気のある母。
このたびの台風10号が襲来するときに家には居られないとホテルに避難しました。
▼避難した話
訪問看護師さんと母が考えた避難先の選択肢はいくつかあったそうです。
①訪問看護ステーションのショートステイ
訪問看護をお願いしている施設にはショートステイの機能もあり、母も希望すれば宿泊が可能です。
ただ、今回はすでに希望者でいっぱい。
宿泊することはできませんでした。
②かかりつけの病院
病状が悪くなったときだけでなく、空室に余裕があり、医師の許可がもらえたときは過去入院させてもらえていました。最近で言うと、昨年の家のリフォームのときかな。
▼実家のリフォーム記事
今は家事や畑仕事をこなしている母ですが、
まだあの頃は体調に波があって食事が食べれないときもあり不安定でしたから、リフォーム期間だけ入院させてもらえました。
今回もお願いしたら入院できたかもしれません。
でも、母は今とても元気になっているのでもっと重症な方にベッドを開けた方がいいのではないかと思ったそうです。(という思考回路になるのが元気な証拠だ)
それと、このコロナ禍。
病院の方針も変わっている可能性がある。
ということで却下でした。
③避難所
近所に避難所はいくつかありますが、
川沿いだったり山沿いだったり(1ヵ所はその山が過去台風で崩れたこともある)
正直安心して避難できる場所ではありません。
(もっと家から離れた場所の避難所に行くしか…)
実家のある自治体では、
病気などの理由で避難所に居るのが困難な方などを提携先のホテルで避難させることができるようになったそうで、
さっそく母が電話をして確認すると、
「避難所が開設されていないときにはホテルには入れない」とのことでした。
まずは避難指示が出て、避難所が開設され、避難所に避難する。
その避難所で「ホテルに入りたい」と申し出て、
ホテルの空室を確認したのちに、
個人で移動してもらうということらしいのです。
(この場合ホテルの宿泊料金は個人負担なしだそう)
今回の台風ではいつ避難所が開設されたのかは知らないのですが、
この制度を使おうと思ったら
暴風雨の中ホテルに移動しないといけなくなる可能性もあるわけです。
危険すぎる…
というわけで却下でした。
(車で移動できない人はどうするんだろう…)
④ホテル
個人的にホテルを予約して宿泊。もちろん宿泊費は自己負担です。
今回宿泊したホテルは自宅よりも安全であるということが確実な場所にありました。
母のご近所さんが数年前から台風がくるたびにいつもホテルに避難されていると聞いていたので、母も私も台風の避難先として選ぶハードルが低かったです。
今回母が宿泊したホテルがたまたまそのご近所さんと一緒でした(笑)
結果として④にしましたが、
母にとって避難先をホテルにしてよかったことがいくつかありました。
1.個室なのでコロナウイルスから身を守ることが比較的安易?
ホテルは個室。
室内は自分だけが触るので、室外から部屋に戻った時や室内で飲食する直前に手洗いうがいを励行すればいい。
(空調設備に関しては私の勉強不足で何とも言えません)
たくさんの人が24時間往来する病院や避難所よりは、空間が区切られている分、感染対策がラクだと思いました。
2.ほかの人に気兼ねをしなくていい
母は肺の病気ゆえ、たびたびセキをします。
このコロナ禍、他人のセキに敏感な方もいらっしゃるでしょう。
母自身も、もし集団の場所であったら「自分のセキで他の人が休まらないのではないか」と気にすると思います。
個室であれば、他に人はいないので気兼ねをすることがありません。
3.困ったことがあれば助けてくれる人がいる
母は久しぶりにホテルに宿泊したので、カードキーの使い方がわからず困ったそう。
(カードキーを差し込んだままじゃないと電気が点かない等わからなかったと)
でもフロントに電話をすればすぐ来てくれて対応してもらえます。
また、母が朝食バイキングに行ったときに見た光景ですが、
食事を選ぶのも運ぶのも困難なほど腰の曲がった高齢の女性がいらして、
そばにホテルのスタッフがついてお膳を持ち、
「上には〇〇があります。」と、
女性には見えない場所にあるものを説明したり、
女性がほしいものを盛り付けたりときっちり対応されていたそう。
お仕事だから当たり前でしょ、と思うかもしれませんが、
お金を支払っているので頼みやすいと思いますよ。
避難所で見知らぬ人に助けを求めるのは気が引けるとか申し訳なくて言えないという方もいるのではないでしょうか。
(私がそういう人です。いよいよ困ったらお願いするけど自力でなんとかしてしまいがち。)
3.台風がきても朝食は確保されているという安心感
宿泊したホテルは朝食付きのプランでした。
「バイキングだからやめておこうかな」と母はためらっていましたが、
医療関係者の親族から
「いまはどこもちゃんと対策をしているから大丈夫だよ」
と助言があり利用したそうです。
・全員マスクを着用
・お皿をとったり食事を皿に盛り付けたりするときは全員手袋着用
(食事はカバーなどで覆ったりはされていなかったようです)
・テーブルの間隔が広くとられている
という対策がしてあり、
母は窓に向いた席で1人で食事をし、安心して食べれたそうです。
「久々のバイキング、おいしかった!」
「朝から魚のフライを食べた!あつあつでおいしかったー!」
「お米メニューを一式食べ終わって、
今度はパンメニューをとりに回ったよアハハ(´▽`)ハハ」
「梨がおいしかったー!」
「梅干しがおいしかったのよ!」
「私、すごい食べるわ!食欲すごいわ!(´▽`)」
と毎日うれしそうに話していました。
(そりゃそうだよね。病気になってからほとんど外出&外泊していないからね。)
台風襲来した日の朝、ホテルは停電になったのですが
朝食は問題なく準備されていたのが本当にありがたかったそうです。
……………-と書いている途中に、母と電話をしたのですが。
どうやら母が7時前に朝食をとったときは
普段と変わらない量が提供されていたけれど、
そのあと遅い時間に来た人には充分な量がなかったそうです。
「停電のため料理ができません」とホテル側に説明されて、
憤慨された方もおられたとか。
(同じホテルに宿泊したご近所さん談)
停電の影響で食事の提供がない可能性があることを想定して、保存可能な食品を持ち込む必要があると思いました。
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一方、気になる点は。
1.感染症対策はホテルでマチマチ
数人のご近所さんがいくつかのホテルに避難したので、
母は他のホテルの情報も聞いたそうです。
あるホテルでは
バイキングで人数制限と時間制限があり、入れ替え制だったそう。
もし感染者がいた場合、いろんな人が行き来している状況よりは、接触した可能性のある人数が限られるのでのちの対策がとりやすそうだと思いました。
2.停電時はエレベーターが使えず、上の階の場合は移動が大変
ちょうど朝食時間にエレベーターが止まっていたので、朝食のために階段をのぼりおりしました。
母は2階だったのでまだなんとか大丈夫だったようですが、
「これが6階とかだったら、酸素ボンベ持って上り下りするのはできなかった」と。
先述した”朝食がないと憤慨した”方は、高齢の家族を一生懸命介助しながら階段をおりてきたものの朝食がないという状態に憤慨されたようでした。
結局スタッフの方がお部屋まで食事を運んだとか(ご近所さんの情報より)。
3.宿泊費がかかる
1泊6000円程度のホテルを利用しました。家に居ればかからない費用です。
今回5泊したので、それなりにかかります。
ただ、GoToトラベル事業の対象になるということで、いくらか割引になったそうです。
母は手続きのやり方がまったくわからなかったのですが、ホテル側が対応してくださったとのことでした。
ありがとうございます!
これくらいでしょうか。
何を重視するかで、避難先の選択が変わってきそうですね。
ちなみに、母曰く
「私、元気だったから、酸素ボンベ持って行ったけど全然使わなかったわ。
部屋の中にいるときはもちろん、
階段の上り下りも朝食バイキングに行った時も
全然酸素使わなかったのよ。」
だそう。
え、母 めっちゃ元気じゃん(`・ω・´)
もともと母は週末いろんな温泉地をめぐったり
好きなアーティストのコンサートに他県まで行ったりと、
家にいるよりも外にどんどん出ていくアクティブな人でした。
(どこも自分ひとりで車を運転して行っていました)
ここ10年以上、
肺の病気で日常生活を送るのもやっとなほどだったので、
母自身もう外出することはあきらめていたのですが、
今回のホテル避難で
近場で、短期間の宿泊くらいはできる体力があるとわかったのだとか。
「ホテル、楽しめた。
元気になったんだよ私。
これからちょくちょくご近所のホテル巡りするかな(´▽`)
コロナがなかったらもっと頻繁に行きたいくらいよ(´▽`)」
と。
それはよかった!
まだまだ安心して帰省できる状況にないと思っているので、
母ひとりで生活を満喫できるのはとてもありがたいことです(´▽`)