小2の次女と一緒に近所の図書館に行って、こちらの本がふと目に留まりました。
『こども六法』の著者、山崎聡一郎さんが書かれた本。
「これは中2長女に読ませたい内容だなー」
「マンガになってるから長女も読むかも」
と借りてみました。
読んでほしいと思って親の私が借りてきても読まないことが多い長女ですが、この本はすぐに読み始め「おもしろかった!」と感想まで述べ、さらにそのあと興味のあるところだけかいつまんで何度か繰り返し読んでいました。
(マーベラス!)
私も読んでおもしろかったので、おすすめポイントをちょっとあげてみます。
僕は人間関係が苦手です。
ー略ー
空気が読めなくてクラスじゅうからシラケた目で見られることもたくさんありました。「普通になろう」と何年も努力しましたが、結局普通にはなれませんでした。
でも今、たくさんの人たちに恵まれて生きています。
ー略ー
人間関係のなかで生きていくうえで大切な力は、実は空気を読む力のほかにもいろいろあったのです。この本は、そんな僕の発見を伝えようと思って書きました。
自分を大切にし、他人を大切にすることで形作られていく、だれもが大切にされる人間関係が、この本のテーマです。
山崎聡一郎
はじめに より抜粋
”「普通になろう」と努力したけどなれなかった”
…痛いほどわかるわその気持ち…(;´・ω・)
最初からわしづかみにされました(笑)
登場人物は複数の中学生(高校生?)の男女。
それぞれの視点で悩みが描かれています。
想定読者は中高生。
ルビがふってあるので小学校高学年でも読めると思います。
この本のなかでとりあげているのは
「同調圧力」
「いじり・いじめ」
「セクシャリティ」
「児童虐待」
「親との関係」
「いろんな個性」
「貧困」
「ハラスメント」
「多文化共生」
「お金のトラブル」
という10個のケース。
昨今話題によくのぼる、LGBTQ+やSOGI・毒親・ヤングケアラー・発達障害・教師からのハラスメント・相対的貧困(コロナ禍による影響)に触れていて、
まさに「現代(いま)を生きる学生さんたちが直面する悩み」と言えますね。(2021年8月発行)
『1時間で一生分の生きる力』
大人でも「難しいな…」と思う問題がたくさん網羅されているのにサラサラっと読めます。
ひとつのケースごとに、
①登場人物の悩みを知る(マンガ)
②ツカサ先輩というスペシャリストとの対話形式で登場人物の悩みの問題点を溶きほぐしていく
③その問題についての正しい情報や法律を解説
④問題点と改善点のまとめ
⑤悩んでいた登場人物はどんな行動をとった?(その後のストーリーマンガ)
という流れで、知識を得ながら自分がどう行動したらよいかを考えていきます。
マンガでストーリー仕立てになっているので場面がイメージしやすく「あーあるある、こういうこと」と自分に置き換えることもでき、表情とセリフで登場人物の心の動きがわかりやすい。
文字の羅列だけよりも断然スッと入ってきます。
その点が、長女にウケがよかったのだと思います(笑)
その悩んでいるモヤモヤを、
「なぜモヤモヤするんだろうね?」
と対話形式でときほぐしていくのですが、
中高生ぐらいの年齢って「モヤモヤ」の理由をきちんと言語化するのって難しい子もいると思うんですよ。(ゆえの反抗期)
登場人物はそのあたりをカタコトながらも言語化してくれているので
「あ、そうか。私もそれでモヤモヤしてたんだ!」
と気づくこともできそう。
そして、スペシャリストのツカサ先輩が
「親に知られたくないし…」
「みんなに迷惑をかけちゃった気がして…」
という登場人物の気持ちひとつひとつに向き合い
『自分を大切にしよう。あなたにはその権利がちゃんとあるんだよ。』
『相手にもその権利があるんだよ』
と知識をもとにアドバイスして、どういう行動したらいいのか対話の流れで自然と答えに導かれていく。
いやこれね、
私自身にちゃんとした知識がないから、
もし子供たちから相談を受けてもツカサ先輩(キラキラ☆)みたいなアドバイスできないわ!
たとえばケース1『同調圧力』。
「今、大人気のバンドがいて、みんなは知ってる前提で話すけど、私は全然興味がない。友だちと話を合わせるためにやっぱり聴いた方がいいかな。」
という悩み。
これ実際に私も学生時代に同じ悩みを持ってましたよ。
ジャニーズ好きな友達が多くて、自分はジャニーズに興味がなかったんですよね。
話についていくためにTVを見たり聴いたりしたけどやっぱりそんなに好きじゃない。
でも毎日ジャニーズの話で盛り上がっているのに「好きじゃないわ」と言えず、適当に「○○くんがいいかなー」と話を合わせてみたり。
中学生はそんな感じで過ごしました。
それが「すっごい苦痛!」ってことはなかったんですけどね。
長女も次女もメジャーどころが好きなタイプではないので、同じ悩みを持つ可能性大。
とうの前に学生時代を終えて20年以上たった今の私は、もし子供たちから相談を受けたらどう答える?
「人それぞれ好き嫌いはあるからねー」
「とりあえずその場は話を合わせておく?」
とか言っておしまいにしそう。
浅い!
浅いぞっ!
精神年齢が中学生から変わってないんじゃないの私!?
((((;゚Д゚))))
ツカサ先輩は、
「押し付けられるのは嫌だよね」
「同じ趣味の人とだけいると付き合いが限られちゃうよね」
「聴いてみてってすすめてくれた友達は意地悪で言ったのかな?」
「流行はコントロールできないけど流行にのる/のらないはコントロールできる」
と共感しつついろんな方向からモヤモヤを解体してくれるんですよ。
また、巻末には”悩み解決マインドマップ”で
・悩みの感情と理由をつなげてみる
・「どうなりたい」「どうしたい」をはっきりさせる
・今できることは?
・いつまでに何をすればいい?
とモヤモヤに言葉をつけて解決法を見つけるツールや、困ったときの相談先も掲載されています。
いい本だわー。
知識が乏しいうえにコミュニケーションの経験不足の自覚もある私。
未熟な母(私)の代わりに、この本で解決の糸口が探せるのでは?
と思い、購入することにしました。
我が家に1冊、ツカサ先輩!
そしてマインドマップを利用して
ツカサ先輩がいなくても解決方法をみつけだす!
もちろん、子供の悩みを本に任せきりにするつもりはなく一緒に考えていきますが、冷静にアドバイスできるか自信がないので私自身も勉強していきたい。
そして、私や大人に相談しづらいときに子どもがこの本を手に取れば「大人に相談してもいいんだ!」とか「こういうふうに考えたらいいんだ!」とすこしでも気持ちが楽になればと思っています。
考え方や感じ方は違っていてあたりまえ
その違いを尊重できる人になろう
監修 藤川大祐
違いを尊重できる人が一人でも増えて、生きやすい世の中になるといいな。
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※amazon、楽天とも中身が数ページ読めるので購入する前に要チェック!
きっと図書館においてあると思うので、興味のある方はぜひ手に取ってみてください。
*余談*
本当は、ひとつひとつの問題についてそれぞれの専門家が書いたような本を大人はちゃんと読んで知るべきなんだろうな。
でも重い腰があがらない。
自分が直面しないと動けない、知ろうとしない。
知らなくても生きていけるから。
だけど。
上記でとりあげた”同調圧力”がテーマであれば、自分の経験からなんとなくアドバイスできたとしても、
私が経験したことがない、
・友達が虐待されているかも。どうしたらいい?
・同性の友達から好意をもたれている。どう対応したらいい?
のような悩みを子どもから打ち明けられたら、はたして私は正しくアドバイスできるだろうか。
”知らないからわからない”ですませることはできない。
”これまで関わることがなかったから、これからも関わらないでいたらいい”という考えは、『違いを尊重する』とはかけ離れている。
今回とりあげた本は、それらの基本的な情報が整理されているので、まず「知る」という第一歩が踏める。
中高生向けなので難しい表現がなく、とっつきやすい話題から問題を理解できるように工夫されており、頭に入りやすい。
私のような難しいことが苦手な大人はこの本を入口にして関心を深めたり広げたりするのがいいかも。
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