先日、こんな記事を目にしました。
舛添要一氏、大王製紙元会長も…W杯日本サポーターのゴミ拾い批判に「発想がネガティブ」と薄い共感(女性自身) - Yahoo!ニュース
Twitterをやっていないので元ネタのツイートは見ていないのですが、この記事によると、
舛添氏は25日、《日本のサポーターがスタジアムの清掃をして帰るのを世界が評価しているという報道もあるが、一面的だ。身分制社会などでは、分業が徹底しており、観客が掃除まですると、清掃を業にしている人が失業してしまう。文化や社会構成の違いから来る価値観の相違にも注意したい。日本文明だけが世界ではない》とツイート。日本人が清掃をすることによって、現地の人の仕事を奪ってしまうという主張だ。
<上記記事より>
さらに大王製紙元会長の井川意高氏(58)も24日から25日にかけて清掃について批判するツイートを繰り返しており、物議を醸している。 まず、FIFAワールドカップがTwitterで日本代表が更衣室を片付けたことなどを紹介したことに触れ、《こういうの 気持ち悪いから やめて欲しい ただの自己満足 掃除人の仕事を 奪ってる》と非難
<上記記事より>
とお二方が主張されていると。
共通するのは
「ゴミ拾いは清掃職の仕事を奪っている」
ということ。
これを読んでうーんどうかなーと思ったので、ちょっと書きますよ。
4月から外で短時間働いていると以前記事にしましたが、じつは清掃業に就きました。
市販では取り扱わないような清掃業者専用の機械や洗剤を使う本格的な清掃業ではなく、家事の延長のような感じでできる清掃業です。
photo by 写真AC catwhiskersさん
で、先ほどの
「ゴミ拾いをするのは清掃業の仕事を奪う」
という話に戻りますが、清掃の仕事は奪われないと思います。
W杯会場の清掃の仕事内容はまったく知らないですが、ゴミを拾う以外にも会場の椅子や柵を拭くとかトイレ清掃や回収されたごみの分別など、さまざまな仕事があると思うんですよね。
ゴミ拾いをしない分、ほかの仕事に手が回るだけじゃないかな。
会場にいた日本人がゴミを拾ったくらいじゃ仕事はなくならないと思うんです。
あ、でも、ゴミを拾うだけの仕事で雇われているなら仕事はなくなりますね。
ちょっとその辺を私が調べていないので、断言できません。
「清掃」という仕事が、ゴミを拾う以外も含まれていると想定すれば、ゴミ拾ったくらいじゃ仕事はなくならないよと思います。
わたしの仕事内容で言うと、仕事の契約のなかで「毎回必ず清掃しないといけない場所」と「毎回じゃなくていいけど時間があったら清掃する場所」というのがあります。
こういうSNS上で詳細を書いてはいけないというルールがあるので具体的には書けませんが、例えば、『道をほうきで掃く』という仕事があったとします。
空き缶やたばこの吸い殻などがあれば拾い、空き缶は中身を流水ですすいで分別、吸い殻はしっかり水に浸して可燃ごみに捨てています。
ポイ捨てされたゴミがなければ「ゴミなし!」と確認するだけでOKなんです。
道をほうきで掃く時間を「時間があったら清掃する場所」の清掃へ充てることができます。
清掃時間と清掃内容が契約で決まっているので、ポイ捨てされたものを分別する時間を別の清掃内容に回すだけのこと。
結果的にキレイになる場所が増えます。
だから、ゴミは拾ってくれたらうれしいし、ゴミは捨てないでほしいですね。
また、清掃には「汚れてしまった場所・モノをキレイにする」という目的と「キレイな状態を維持する」という目的があると思います。
清掃業をされていた舛田さんという方が書いた「そうじ力」の本の中で、「きれいに片付いた家に住む人でも、それを維持するために定期的に清掃業者に清掃を依頼している」という一文を読んだことあります。
ずいぶん昔に読んだので記憶が確かでないのですがたぶんこの本だったかな…
キレイでゴミ1つ落ちていない空港には清掃業は要らないってことはない。キレイを維持するために清掃しますよね。
「キレイを維持するための清掃」というものがある限り、ゴミを拾ったくらいで清掃の仕事はなくならないと思います。
横になってずっと寝ているだけでも部屋にホコリは積もる。
誰も住まなくなった家屋にもホコリは積もる。
清掃に終わりはないです。なーんてことは家の掃除をしている人ならだれでもわかってる。
私の結論は出ましたが、ついでに先ほどの記事のこのツイートについても言いたい(笑)
《身分社会では 軽蔑まで されますよね》
<上記記事より>
海外の身分社会について詳しく知らないのですが、
身分社会では仕事が分業されていて清掃業は身分が低いものがやるものだから清掃したら身分低いやつって思われるよー
ということですかね?
(前後の文脈がないので間違って解釈していたらごめんなさい)
まぁ、身分社会じゃない現代の日本であっても、残念ながら職業差別ってゼロではないですよね。
と、書いていて思い出しました。
同じ職業でも上だ下だと言ってくる人がいました。(そういう人はごく稀でしたが)
以前働いていた医療現場で、同じ病院内でも救急救命や脳外科、オペ室などの急性期は大変(私は上だ)で慢性期はのんびりでいいね(あなたは下ね)みたいなことを言われたと、異動した先輩が嘆いていたんですよ。
それを聞いた上司は、
『その仕事の大変さも、奥深さも、面白さも、その仕事をやったことない外から見てるだけの人にはわからないよ。
言いたい人には言わせておけばいい。
自分は自分の仕事にまい進すればいい。』
と先輩に声をかけていました。
(のちにその上司は異例のスピードで出世していったと風のうわさで聞く)
私がなにかや誰かと比較されるたびに、また、自分で勝手に比較して落ち込みそうになったときに、何度もそのときの上司の言葉をかみしめています。
清掃業だけじゃなく、家事も育児もどんな仕事でもいえると思うのですが、仕事の名称や外っ面のイメージだけで上だ下だと判断するのはナンセンス。
社会を回すために必要な役割で、大事な仕事を担っています。
人がどう考えるのかは私にはどうにもできないですが、自分自身は「上だ下だ」という思考にならないように気を付けたいです。
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