2018年の年末帰省の片付けの番外編です。
帰省初日、簡単な片付け作業を終えた後に
お葬式の事前相談に行ってきました。
以前から母と「一度お葬式の事前相談に行ってみよう」と話していました。
気になる葬儀社がひとつあり、母の体調もよさそうだったので年末の帰省の際に母と2人で実際に会場を見てみようねと決めていたのですが、11月半ばに母は肺炎で入院。
12月年末までにはなんとか退院は出来ましたが食欲がなく体力の回復がイマイチだったので私一人で行ってきました。
事前相談に行く前にやったこと
・葬儀社に電話をし「事前相談にいきたい」旨を伝える
帰省する前の11月ごろから葬儀社に関する情報収集を始めていました。
ここのところの終活ブームで「お葬式の事前相談はしていて損はない」という情報はよく見聞きします。
大手の葬儀社の広告やHPでは「〇月〇日 無料相談日」という文字を見ることがあったのですが、母が気になる葬儀社のHPを見ても”事前相談”の言葉が見当たらず。
とても小さな葬儀社と聞いていたのでもしかして事前相談とか対応していないのか?
「お問い合わせ」と書いてある電話番号にとりあえず連絡してみました。
事前相談に伺いたいという旨を告げたところ、以下のようなお話でした。
「事前相談には対応しています」
「お葬式をしている時間帯は実際に会場を見学することができないので、相談に来たい日の当日の午前中に電話で直接連絡していただきたい(その日にお葬式の予定がなければ見学可能)」
「こういう生業(いつお葬式があるのかは神のみぞ知る)なので、事前相談の予約はできかねます」
「自宅に事前相談に伺うことは可能であるが、実際に会場を見学して頂くことをお勧めしています」
「お葬式を執り行っている時間帯は人手がないため、自宅に伺うことは対応できかねます」
このあたりの「事前相談の予約不可」「自宅への事前相談対応は状況による」などは葬儀社の規模・方針によって異なると思います。
もし気になる葬儀社がある場合は、前もってHPや電話で確認をしておくことをお勧めします。
葬儀社へ 電話をしたときにはすでに帰省日を決め新幹線の切符も予約しており、葬儀場が最寄り駅から近いことが分かっていたので、到着する日程に合わせて事前相談の予約をしようと思っていましたが、それができないことがわかりました。
帰省する当日の午前中に葬儀社に連絡することにしました。
前もって電話をしていてよかったと思いました。
・お葬式に関する本を1冊読む
お葬式には何度も参列したことはありますが、私はまだ両親が健在なのでお葬式を執り行う側になったことがありません。
人が亡くなったあと、どんな手続きが必要で、どのようにお葬式が行われるのか…という流れが一切わかりません。
母の聞きたいことを事前相談で確認できればいいかと思っていたのですが、母が付き添わず、私ひとりで、完全に無知のこの状態でいきなり「お葬式の事前相談」に行ったところで何も質問できない。
どんなところを見ておくべきか、確認することは何か、だいたい相場は何にどれくらいの金額がかかるのか(その葬儀社が相場より高いのか低いのかの判断基準)くらいは知っておきたい。
そう思い、お葬式に関する本を1冊読んでおこうと思いました。
私が読んだのはこちらの本。
じつは購入して1年以上経っていたのですが、まったく読む時間がなく。
今回の帰省は夫が子供二人を連れて旅行に行ってくれたので私1人で帰省することになり、新幹線に乗っている間に1冊読み切ることができました。
(誰にも邪魔されず1人で読書できる時間がなんとありがたいことか!涙)
マンガがところどころ差し込んであり、一つの項目に対してだいたい見開き1ページに文章がまとまっているので、わかりやすかったです。
私が特に参考になったのは
「事前相談の目的 何のために事前相談をするか目的をはっきりさせる」
「信頼できる担当者の見極め方」
の項目。
事前相談=事前見積りではないということ。
え?事前相談ってお葬式にかかる金額を確認しておくためにするんじゃないの?と思いますよね。
事前相談ではどのように故人を送り出したいのかイメージして葬儀社に伝えることが大切ということだそう。
いつも母と「本当にごく近い身内だけで小さなお葬式ができたらいいよね」と話していたので、事前相談ではそれを伝えていこうと思いました。
また、
”プロ意識の高い担当者は、ご遺体を傷つけないようにいつも爪を短く切っている”
なんていう視点は私にはなかったので、ほぅ…と思いました。
(あれ?でも爪見るの忘れてるわ・笑)
「見積もり書の比較は意味が意味がない!?」の項目も必見です。
見積もりをとって一番安い葬儀社に決めたとしても、飲食代やマイクロバス代など参列者の数に応じて変動する項目が含まれていないこともあり、終わってみれば「結局一番高くついてしまった」と後悔することも珍しくはありません。 p104
なるほどなるほど。
見積書をみるときには必要なものが全て含まれた総額の値段を確認しないといけないのだなとわかりました。
財産贈与やお葬式が終わった後の手続き・法要も書いてあるのでおおまかな流れはこの本で知ることができました。
ただ、こちらの本は2014年に刊行されたもので、贈与税や相続税の改正については平成27年までのことしか触れられていません。
いまインターネットで「相続税贈与税 改正 最新版」で検索すると「平成31年税制改正」と出てくるので、この本の情報は古い可能性があります。
(何がどう変わったかは私は勉強していません!この記事では書きません、ごめんなさい!)
今はたくさんお葬式に関する本が書店に並んでいます。
自分が読みやすそうな本、興味を惹かれるような本など、どの本でもいいのでお葬式に関する本を1冊読んでから事前相談に行くことをお勧めします。
事前相談でどんな話をした?
タクシーで葬儀場に到着。
葬儀場の大きな入り口はあったけどそこから入っていいのかわからず他の入り口をさがしてウロウロしていたところ、中から出てきて声をかけて下さったのが担当者さんでした。
さっそく感じのいい担当者さんでした(笑)
どこかほかの葬儀社さんに事前相談に行かれましたか?と聞かれて、まったくはじめてです!と答えると、とても詳しく説明してくださいました。
お葬式を行う祭壇・会場、控室、食事をいただく場所を見学し、事務所の奥でお話をじっくり聞いていきました。
ここからのお話は私が相談に行った葬儀社さんのお話なので、あーこういうところもあるんだなぁと参考程度にお読みください。
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・葬儀社さんの見積もり書を確認
その葬儀社さんはひとつのプランしかない。
このプランには葬儀に必要なものが全て入っている。
例えば他の葬儀社さんでは、Aプランに決めてもその中に棺が入っていなかったりする。(棺がなかったら葬儀はできないですよね?)
でも、この葬儀社ではこのひとつのプランですべて問題なく葬儀は執り行える。
そこに追加されるのは、花、参列者のお食事、会葬礼状、香典返し、火葬場までのマイクロバスなど。
(見積もり書が手元になく記憶があいまいです。申し訳ない…)
例えば、香典を一切受け取らない場合は香典返しは不要。
お花はいらないという人もいる。(1対あると棺に納めてきれいに送り出すこともできるので最低でも1対はお勧めしています、と担当者さん)
食事の持ち込みはOK(普通の葬儀社は持ち込み不可。葬儀社内のメニューで注文することになっておりすべて後払い)。
その葬儀社では身近な家族だけで通夜葬儀をおこなう方が多いので近所のデパートで買ってきたもので済ませる方も。
もちろん葬儀社で準備することは可能。
精進落としだけお願いします、他の食事は自分たちで調達しますということも可能。
火葬場までのマイクロバスは、利用すれば参列者全員が迷わないで同時に到着できるというメリットがある。
ただ、この葬儀社さんでは、それぞれの車で乗り合わせて火葬場に行くケースが多い。火葬をしているあいだに火葬場で精進落としをして、火葬場でそれぞれ解散というのもよくあるケース。(母はびっくりしていましたが)
ご家族がどんなお葬式をしたいか、参列者の数によって変動する項目なので、家族でよく話し合いになって決めておく。
お葬式前に葬儀社に支払うのは、火葬場控室利用のための3000円のみ。
お葬式の前に必要なのはその3000円と市役所で手続きに必要な印鑑だけ。
(あとで記述しますが、お坊さんに読経を頼むときはお坊さんへの支払い?が別に発生します)
お葬式にかかった費用はすべてが終了した後に口座振り込みとなる。
・無宗教なのですが、どうしたらいいでしょう?
➀これから宗教に入る。
②宗教にこだわらない葬儀を行う。
その葬儀社さんでは、棺の前で故人の好きだったケーキをみんなでいただいたあと出棺→火葬場へ というお葬式をおこなったこともある、とのこと。
③無宗教だけどお坊さんにお経をあげてもらいたいという方は、葬儀社から紹介したお坊さん(浄土真宗)にお経をあげてもらうことが可能。
葬儀のプランとは別料金で、自分たちでお坊さんにお金を払う必要がある。お通夜でいくら、葬儀でいくら、法名をいただくのにいくらと金額が決まっている(見積もり書にメモしましたのですが、すみません忘れました。)
・心付けは一切いらない!
「一昔前は心付けを渡さないと焼いてやらないみたいな人がいました(マジか)が今は大丈夫。とくに火葬場は公的機関なので心付けを渡すと捕まります(笑)
この葬儀場でも一切受け取っていません。
(そうは言ってもいるんじゃ・・・?)いや、受け取っていません!(笑)」と担当者さん。
・ほかの葬儀社さんもぜひ事前相談に行くことをすすめられる
他の方とお葬式が重なる可能性がある、ということ。
「たとえばお子さんの受験があるので絶対この日までにはお葬式をしたい、というケースも意外とよくあります。
1つの葬儀社だけではどうしても対応しかねるので、いくつかの葬儀社に事前相談にいって第2希望、第3希望まで考えておくことをお勧めします。」とのこと。
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お話しさせてもらった担当者さんは以前大手の葬儀社さんで働いていた経歴があるということで、葬儀社の営業の裏事情などもちょいちょい織り込んで、お葬式初心者の私にもわかりやすく教えて頂きました。
気になる葬儀社に事前相談に行ってみることで、
・ 事前に読んだ本で紹介されていた金額よりお安めということがわかった
・この葬儀社さんは「これだけでお葬式が問題なく執り行われる」というプランだったのがわかりやすくて安心した。参列者の数や、家族のお葬式についての考え方で要不要が変わってくる項目だけ追加されることがわかった。
・母のイメージするお葬式に「何が必要で何が不要か」を家族で話し合う=自分たちの執り行うお葬式の見積もりが出きあがる、と理解できた。
というメリットがありました。
事前相談で聞いた話を家族で共有しました
事前相談での見積もり書類をもとに、母と父と弟、遠方に住む妹も電話で参加して情報を共有しました。
・自由なお葬式は、自由なぶん考えるのが難しいなー
・うちは無宗教だけど、やっぱりお経がないと「お葬式した」って感じがしないよね。お坊さんはお願いしたいねー(母方が浄土真宗なので、葬儀社さんの紹介してくれるお坊さんが浄土真宗の方なのはありがたい)
・火葬場で焼きながら、となりでご飯ってちょっと気分的に嫌なんだけど。最近はそんな感じなの?
・お花は1対はほしいね、棺の中にお花は欲しいね(母)
・香典は一切受け取らないことにしようか?
・自治会にはどう連絡するの?香典を受け取らないって自治会的にはあり?(最近はよくある、と母)
・病院で死んだら葬儀社に行く前に家の前を通っていきたい?病院~葬儀社の一往復でこのお値段だから家に帰ると追加料金がいるよ。家に戻りたかったら言って。(と母に確認。別にいいかなと返答する母)
などなど、ざっくばらんに、それぞれ言いたいことを言い合いました。
それを見ていた母は
「なんか不思議な気分だわ…
自分が死んだあとにこの辺をふわふわ漂いながら、こんな風にみんなが私のお葬式の相談をしてるのを見てるみたいだわ…(笑)」
と笑いながらつぶやいていました。
言いたいことを言っているうちにだいたい方針が決まって、お葬式にはだいたいこれくらいの金額が必要だという予算もわかりました。
それを確認して家族全員「うん、うちの貯金でなんとかなる」と安心できました。
遺影の準備もしました
今回の実家片付け。
私一人で帰省したため、思う存分片付け掃除に時間を割くことができました。
おかげで今までなかなか手が回らなかった「写真」の一部にも取り掛かることができました。
今回の帰省での写真片付けは、母のお葬式で遺影になるような写真がないか探すことが目的。
私たちきょうだい3人とも結婚式を挙げたので、その写真の中にいいものがないかなぁと探したところ見つけました。
私の結婚式の写真です。
真ん中が母です。
結婚式が執り行われる前に両家が親族紹介をした場所で、両親ときょうだい3人の家族5人で撮った写真。
たくさんのカメラがあったようで皆視線がバラバラで、母だけカメラ目線の写真でした(笑)
素敵な笑顔だったので、母も納得の一枚。
最近の母の写真は白髪が多くなったり酸素療法のチューブを装着していたりするので
元気なころの母の写真でいいものがみつかるといいなと思っていました。
見つかってよかったです。
葬儀場の見積もり書類と一緒にまとめて置いておこうとしたら、
「訪問看護師さんに”これ私の遺影よ”って見てもらうから壁に貼っておいて!」と母が
言いました(笑)
二つの病気を持っていて、何度も意識を失ったり、救急車で運ばれた経験がある母なので、いつ何時その時がくるかわからないという覚悟はありました。
そのための準備をすこしでもしていたいと思っていたので、今回の帰省で「お葬式の事前相談」「遺影の準備」ができてよかったと心から思いました。
今回は時間の関係で1社の葬儀社しかいけなかったので、あと1~2社、母の気になる葬儀社さんに事前相談にいってみたいと考えています。
どうかそれまで母が元気でいますように。